新聞余禄欄


今日の毎日新聞の朝刊一面余禄の記事です。

明治初めに来日した米動物学者モースがある夜に横浜から帰る途中、
神棚の灯明がもれる民家をのぞいた。
すると母親が乳を赤ちゃんに含ませたまま熟睡している。
モースがその時描いた絵が日本滞在記「日本 その日その日」に載っている。
「私は日本の家が文字通りあけっぱなしである事の例として、この場面を
写生せざるをえなかった」。
今なら住居侵入で逮捕だ。
ただ来日した欧米人の多くが、庶民の家の造りとその暮らしぶりを見て、
「この国の人はどこまでもあけっぱなしだ」と驚いた。
しかしその後はお互いの暮らしをかべと扉で隔てる文明を選んだ日本人だ。
おかげで寝姿を無断で描かれる心配はなくなった。
そして気がつけば、隣人の顔も解らぬことが珍しくない世の中になり、
もうらなりの時がたつ・・・・・・・・・・・。
東京では111歳のの高齢者が死後30年でミイラ化して発見されたり、
大阪では3歳と1歳の幼児がマンションに置き去りにされ、遺体で発見されるという
事件がありました。・・・・・。
万時あけっぴろげで、お年寄りや子供らを温かく見守り合ったご先祖さまに、
私たちが失ったものを尋ねたい。   と結んでいます。

この文面を読んで、建築を仕事としているものとして、心に突き刺さるものを
感じました。
日本人が心を亡くしたのもある意味、建築のせいもあるのかな。
『住宅は人間形成に深く影響する』が私の持論なもので。

今日は昭和町にリフォームの見積もりを持って行きました。
同世代の奥さんなので、とても話が弾み有意義な時間を持てました。
息子さんとは長い付き合いなので、最初から信頼され、こちらからの提案も
受け入れてもらえて、よいリフォームが出来そうです。
我々の仕事は信頼されないと始まらない。


画像は駒ケ岳の高山植物です。
タカネツメクサだと思いますが・・・・
自信なし。


http://www1.ocn.ne.jp/~toda-k/